【書評】才能の育て方 親との思い出が子どもの一生を決める

脳内科医、小児科専門医の視点から、子どもの脳の発育に注目した子育ての仕方を紹介する一冊。勉強に力を入れるよりも、思い出を作ることや体を動かすことが脳を育てるという視点で、著者の体験を踏まえて解説されています。脳医学の視点でありますが、とても読みやすい本です。

印象深かった話

印象深かった話をピックアップしてご紹介します。

音楽で聞く力をつける

小学校に入学した頃の子どもは、個々の能力差が大きいそうです。この時期に、先生の話をしっかり聞くことができると早くから勉強ができる子になりやすいのだとか。聞く力をつけるためには、幼稚園で習うような音楽を聞かせてあげるのが効果的とのこと。また、親との会話や絵本の読み聞かせも聞く習慣がつくので良いのだそう。

運動で記憶力をつける

運動をすることで小脳が刺激され発達すると、それに伴って記憶力も向上するのだそう。もともとヒトは体を動かすことで周囲の情報を仕入れていたので、たくさん運動して記憶力を発達させる必要があるとのこと。運動の前に知識を入れると、あと伸びしにくい子に育ってしまうのだそうです。

著者:加藤 俊徳

脳内科医。小児科専門医。医学博士。1961年新潟県生まれ。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。米国ミネソタ大学、東京大学などで脳研究に従事。MRI脳画像を用いて胎児から超高齢者まで1万人以上の人を診断・治療

目次

  1. 「聞くことができる」育て方
  2. 「コミュニケーションが上手になる」育て方
  3. 「記憶が得意になる」育て方
  4. 「右脳を強くする」育て方
  5. 「運動に自信がつく」育て方
  6. 「ポジティブ思考になる」育て方
  7. よりよい子育てのために親はなにができるのか

おわりに

子どもの話を聞いたり、絵本を読み聞かせたりと子どもとの関わり方のヒントが沢山詰まった本です。いつのタイミングで受験をするのかなど、幼いうちから気になるところですが、単に知識を詰め込めばよいのではなく、運動や体験を大切にした子育てが重要なのだと理解できる内容でした。