外向型の人物が好まれる傾向にある社会において、内向型の人は多いしそれ自体は悪いことではないので、うまく強みをいこうという内容の一冊。私自身が外向型に見られがちな偽外向型のパターンにハマるのだろうなと納得しながら読み進めることができました。
印象深かった話
- 個人で練習する、研究する時間が、集団でするよりも成果につながる
- オープンオフィスでは生産性が下がる。邪魔されない環境はパフォーマンスを伸ばす。
- 対面での共同作業をやめるのではなく、内向型と外向型の強みが混在できるワークスペースが良い
- 刺激に高反応な子どもと低反応な子どもがいて、高反応な子の方が将来内向的な性格になる可能性が高いものの、それを決めるのは気質だけでなはない
- 高反応の子供の方が影響を受けやすく、子育てにおいては手間ひまをかければかけただけ報われる
- 低反応な子どもはそのエネルギーの発散の仕方をルールを学ぶ機会に恵まれないと苦労することになりかねない
- 親は子どもの内向的な面を受け入れ、先回りしてフォローしてあげると良い
- 生徒一人一人の興味を尊重し、自主性を強調している教育環境を選ぶ
- 我が子の個性に合った生徒が集まっている教育環境を選ぶ
リンク
著者:スーザン・ケイン
プリンストン大学、ハーバード大学ロー・スクール卒業。ウォール街の弁護士を経て、ライターに転身。『ニューヨーク・タイムズ』紙、『タイムズ』紙、PsychologyToday.com.などに、内気な性格に関する記事を寄稿している。他にも、メリルリンチや法律事務所や大学などで交渉術の講師も務める。本書は第一作目の著書だが、アメリカでベストセラーとなっている。
目次
- はじめに 内向型と外向型――気質の北極と南極
- パート1 外向型が理想とされる社会
- 1章 「誰からも好かれる人」の隆盛 外向型はいかにして文化的理想になったのか
- 2章 カリスマ的リーダーシップという神話 「個性の文化」の一〇〇年後
- 3章 共同作業が創造性を殺すとき 新集団思考の登場と単独作業のパワー
- パート2 持って生まれた性質は、あなたの本質か?
- 4章 性格は運命づけられているのか? 天性、育ち、そして「ランの花」仮説
- 5章 気質を超えて 自由意志の役割(そして、内向型の人間がスピーチをするには)
- 6章 フランクリンは政治家、エレノアは良心の人 なぜ「クール」が過大評価されるのか
- 7章 ウォールストリートが大損し、バフェットがもうかったわけ 内向型と外向型の考え方(そしてドーパミンの働き)の違い
- パート3 すべての文化が外向型を理想としているのか?
- 8章 ソフトパワー 外向型優位社会に生きるアジア系アメリカ人
- パート4 愛すること、働くこと
- 9章 外交的にふるまったほうがいいとき
- 10章 コミュニケーション・ギャップ 逆のタイプの人とのつきあい方
- 11章 内向型の特性を磨く方法 静かな子供をどうしたら開花させられるか
- 終章
- 不思議の国
おわりに
内向型の特徴だけでなく、外向型との特性の違いが実験結果を元に提示されていたり、内向型の子供への接し方も書かれておりとても参考になりました。おそらくわが子も内向型のタイプなのでそう対応すればよかったのかと思う内容もありました。内向型と外向型のどちらに当てはまるのかを診断する簡単なチェックリストも掲載されているので、自分がどちらに該当するのか気になるという方にもおすすめです。