へしこと聞いてもピンと来ない人が多いのではないでしょうか。鯖をぬか漬けにした福井県の郷土料理です。ここではへしことはどのようなものなのか、またおいしい食べ方は?などへしこについてご紹介します。
へしことは?
へしこは福井や石川、丹後半島などの伝統的な保存食として知られる、魚の糠漬けのことです。福井県では、「鯖のへしこ」を指すことが多く、郷土土産として人気があります。
へしこという名前は、木樽に鯖を漬け込む動作を指す「へしこむ」という言葉に由来すると言われています。
なぜ鯖をぬか漬けに?と思いますが、まだ冷蔵技術が発達していない時代に、若狭から京の都へ運ぶために考えられたとされています。この鯖を運んだ道は「鯖街道」と呼ばれました。
くさい、まずいは本当?
これまでいろんな地方出身の、様々な年代の方にへしこを贈ったことがありますが、正直、好き嫌いが分かれる食べ物であることは間違いないと思います。ただ、食べられる人の多くは好きで、ハマってしまったという方が多い面白いお土産です。
塩と糠を使って漬け込んでいるので、鯖の生臭さはほとんど感じませんが、糠が苦手、特有の苦いようなしょっぱいような味わいが苦手という方もたくさんいます。好きな人はそれが良いのですが笑
白米やお酒(特に日本酒や焼酎)が好きな方には気に入っていただけることが多い印象です。
へしこの作り方
- へしこを自宅でつける家庭は多くないと思いますが、作る手順は簡単です。
- 鯖を三枚下ろしにして、骨を抜く
- 水洗いして、粗塩をふる
- 密閉容器で1ヶ月保存した後に、軽く水洗いする
- 塩漬けして出た液体を糠に混ぜ込む
- ⑤の糠を樽に敷き、鷹の爪、鯖の塩漬け、糠を重ねて入れる
- 10ヶ月おいて完成
なお、頭付きのものを使ったほうが、旨味が出て美味しく仕上がります。
へしこの栄養
へしこで使われている「鯖」や「糠」は体に良い栄養素をたくさん含んだ食材。へしこにもそれらの成分が含まれています。
- ペプチド
- ドコサヘキサエン酸(DHA)
- エイコサペンタエン酸
- 乳酸菌
など。
おいしくて体によいというのは嬉しいですね。
塩分が気になるなら塩抜きしてもおいしい
ただし、ぬか漬けにしているので、少し塩分が高めではあります。一度に大量に食べ過ぎなければ問題ありませんが、塩分を控えているという方は、軽く水洗いして多少の塩分を抜くか、2〜3分ほど水につけて塩抜きをしてもいいでしょう。
へしこのおいしい食べ方
さて、へしこのおいしい食べ方をご紹介しましょう。
糠をつけたまま焼く
まずは定番です。糠をつけたままへしこを焼きます。火が通りやすいので、目を離さずに焼くのがおすすめです。へしこは焼かずに刺し身で食べることもできるので、焼き加減は好みで問題ありません。
面倒ならレンジでチンもOK!
私がよく使うのはこの方法。食べる分だけお皿にのせて、ほんの少し温めます。もちろんしっかり焼いたほうがおいしいのですが、面倒なときにはレンジでも十分です。温め過ぎには要注意。
へしこ茶漬け
刺し身や焼いたへしこをご飯にのせて、お茶を注いで、お茶漬けです。塩抜きしていないへしこでお茶漬けにするなら、塩辛くなりすぎないように気をつけてくださいね。お茶漬けの素などをかけるとしょっぱくなりすぎてしまいます。
へしこの保管方法
へしこをお土産にするときに必ず説明するのが、保管方法です。尾頭付きのへしこをお土産にすると見栄えが良くてとても喜んでもらえるのですが、しっかり説明しないと、焼き魚のようにまるっと焼いてしまって食べきれなかった…などということもあるのです。
私がいつも伝えているのは次の方法です。
- 1.5~3cmくらいの幅で切る
- 1つ1つラップでくるむ
- ジップロックに入れて冷蔵庫へ
はじめに、1度に食べるサイズにカットして保管しておくと便利です。食べすぎの防止にもなりますよ。